NAZEN東京 飯塚 淳

 茨城の仲間から「再稼動は許さん!」の怒りが行動に現れ始めたと報告されています。19年は、昨年の規制委員会・原電への抗議行動に続いて、東京から再稼動を許さない労働組合の運動を作り出そう。

●「複合事故」で関東・東京一帯は重大な被曝
 東海第二原発は、試験研究炉及び研究開発原子炉施設、核燃料施設の全国一の密集地域にあります。東海村周囲に150もの核関連施設がひしめいています。
toukai
 特に東海原発から2.7㎞の核燃料サイクル工学研究所東海研究開発センターが運営する使用済燃料再処理施設は最悪です。使用済燃料再処理施設とは、原子力発電所で燃やされた使用済燃料を再処理することにより、燃え残ったウランと新しくできたプルトニウムを回収し燃料として再利用するための施設です。
 同施設の中でもとりわけ危険なのは高放射性廃液です。高放射性廃液は、冷却水、圧搾空気、そして電源が失われると、沸騰・爆発を起こし、強烈な放射能を放出する可能性があります。
 3・11の地震で同施設は、停電46時間、断水85時間という事態に至りましたが、かろうじて事故を回避しました。東海第二も冷却系統の一部が使用不能となり危機的な状況になっていました。仮に東海第二原発事故により30㎞圏内が立ち入れなくなった場合には、重大事故を回避するための措置をとることが不可能となります。JCO事故の時のように「決死隊」で労働者が被曝しながら対処するのでしょうか。
 同施設は廃止が決まっていますが、処理しきれずに残っている高放射性廃液の処理(固化)には数十年もかかるといわれています。他の施設でも同様の事態となります。複合大事故が起きることは必至です。

●首都圏3000万人の避難も想定される
 東海村では、3月から10月の最も多い風向きは北東と北北東からの風です。3・11の福島原発事故では、放射能プルームは関東平野にかけて広域に時計回りに流れる状況が15日未明まで続きました。このとき、関東・首都圏も汚染されました。21日夜~22日未明、プルームは茨城沿岸から千葉を通り南下しました。関東地方は広い範囲で雨が降り、茨城では沿岸や南部周辺に、千葉では柏市周辺に「ホットスポット」をもたらしました。これが福島よりはるかに近いの東海第二原発で起こったらどうなるのか。
zuu
 東京は、福島第一原発から200キロ、東海第二原発から110キロです。東海第二原発で事故が発生した場合、複合事故により、関東・首都圏は重大な被曝にさらされます。

●東京の闘いで阻止するぞ
 東海第二原発再稼働の阻止は茨城・東海現地とともに、東京・首都圏の闘いです。東京の労働者・労働組合が先頭で立ち上がることで阻止できます。東海原発の再稼働阻止の闘いは核燃サイクルとの激突、核武装攻撃との闘いです。改憲を許さない闘いそのものです。
 2月24日には「東海第二原発再稼働反対実行委員会」の呼びかけで、「What is東海原発?」集会が開かれます。広範な力を集めて成功させたいと思います。