毎年、最も地球を汚した企業にブラック・プラネット・アワードという賞を贈るという活動を行なっている環境団体で、2012年6月は東京電力の株主総会に賞を贈るため来日しました。

2011年福島での原発大事故――東京電力は責任をとらなければならない!
――被害にあった人びとと告訴に踏み切った若者に連帯します!
福島で原発大事故が発生してから11年たちますが、東京電力・福島第一原発とその周辺の状況は、人間とその環境にとって今なおきわめて深刻です。それは日本ばかりでなく全世界的にも影響を及ぼしています。たとえば、日本産の食糧には依然として放射線量が高いものが見られたり、またアメリカ太平洋岸の海水でも放射能が通常よりも高い数値を示すことがあります。
損壊した原子炉内部において炉心の溶融は今でも続いており、毎日大量の水で冷却されなければなりません。東京電力・福島第一原発の敷地には汚染水タンクが1000をはるかに超える数で立ち並び、そこには放射能汚染水が125万立法㍍も蓄えられています。しかも、太平洋に流れ出ている汚染水もたえずあるのです。
日本政府や東京電力は今や、このタンクに保管されている汚染水をすべて海に流そうとしています。これにたいしては、全世界の環境保護団体や日本と諸国の漁業関係者が激しく抗議していますし、中国をはじめ諸外国も強く批判しました。にもかかわらず、日本政府はこの破滅的計画に固執し、国際原子力機関(IAEA)のお墨付きを得てそれをやろうとしています。
エテコン(「財団法人 倫理と経済」)は、福島での原子力犯罪の責任者である企業・東京電力にたいして「2011年 死の惑星賞」〔地球環境を著しく汚染・破壊した企業に与えられる汚名〕を授与し、国際的に弾劾しました。東京電力の責任者たちは、たたただ利潤追求に汲々としたあげく、人間倫理の基本的諸原則を土足で踏みにじり、わが青い地球に著しい損害を与えているのです。
エテコンはそのため、東京電力の経営者と株主にたいしてみずからがもたらした環境その他への損害について、そのすべての責任を取るように要求しています。彼らは、必要とあらば処罰されなければなりません。
エテコンは同時に、福島の原発大事故によって被害を受けたすべての人びとにたいして連帯の気持ちを表明しています。とりわけ、事故の当時に福島で生活していて現在甲状腺癌に苦しみ、そうであるがゆえに最近東京電力を告訴した6人の若者たちに連帯の気持ちを表明します。
私たちは、彼らが、そして原発大事故という人類的破局によって被害をこうむったすべての人びとが、公正にあつかわれることを要求します。
私たちは、日本と世界において原子力エネルギーに終止符を打つことを要求します。また、EUが原子力エネルギーを「今後に通用する技術」としてあらためて位置づけようとしていることを強く非難します。
ベルリン、2022年2月22日
エテコン(「財団法人 倫理と経済」)
コメント