民主労総、核汚染水投棄阻止闘争宣言...
「環境犯罪に賛同するユンソンニョル政権退陣へ決起する」
〔民主労総 労働と世界〕2023年6月22日

 教師宣言文遮断で口封じに出たユンソンニョル政府糾弾
 ヤンギョンス委員長、ILOで日本の全労連と共同闘争づくりで協議
 民主労総 7月ゼネスト主要議題に「核汚染水海洋投棄阻止」設定
 
 日本政府が福島第1原発に保管中の核汚染水を海に捨てようとするなかで、民主労総(委員長ヤンギョンス)が日本および世界の労働者と連帯し、「核汚染水海洋投棄阻止」闘争に立ち上がることを宣言した。
 
 民主労総は22日、全国同時多発記者会見を開き、「日本をはじめとした世界の労働者と連帯して、国民の生命と安全、未来世代のために核汚染水海洋投棄をかならず阻止する闘争に全面的に立ち上がる」と述べ、「労働者のすべての力量を発揮し、日本の環境犯罪に賛同するユンソンニョル政権の退陣闘争を強力に展開していく」と明らかにした。

 この日の午前、ソウルのヨンサン大統領室前で開かれた記者会見で民主労総は、「海に捨てられる汚染物質が人体に及ぼす危険性が致命的なのに、日本と最も隣接した韓国の政府は、核汚染水が逆に安全だと宣伝している」と述べ、「ユンソンニョル政府は過去の戦争犯罪を引き起こした日本が今度は世界を相手に繰り広げる環境犯罪に賛同している」と強く批判した。 

 ヤンギョンス委員長は、「(韓国の)全国民の80%が核汚染水海洋投棄に反対しているにもかかわらず、ユンソンニョル大統領と政府だけが日本の海洋投棄を支持する状況である。国務総理はみずから『核汚染水を飲むこともできる』という妄言までも吐いている」「日本の自国で保管してきた核汚染水を海に捨てようという目的は、費用節減のそれ以上でもそれ以下でもない。日本が自国の利益のために環境を汚染させるのに、なぜ韓国政府は支持し擁護するのか」と批判の声をあげた。

 ヤンギョンス委員長は「今、ユンソンニョル大統領は海外巡訪をして釜山博覧会 誘致の広報戦に熱を上げている。しかし2030年、釜山の海が核汚染水で汚染されれば、その博覧会は成功することができるだろうか」と反問し、「国民の意見を聴き、科学的安全性をもっと調べ、国民の気持ちを考慮した判断が大韓民国政府に必要である」と指摘した。 
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発言するヤンギョンス民主労総委員長(中央)


 労働改悪阻止と賃金引上げ、雇用の国家責任を主題に7月ゼネストを準備する民主労総は、日本の核汚染水海洋投棄阻止もゼネストの主要な議題として設定した。

 ヤンギョンス委員長は、「核汚染水海洋投棄問題は、われわれの生存権とも直結した問題だ。生存が保障されない労働者に賃金も雇用も無意味である」「民主労総は日本の労働者とも連帯するために、先週ILO総会で日本の全労連とともに共同の 闘争をつくっていくことを約束した」と強調した。 

 記者会見をともにしたカンギュヒョク・サービス連盟委員長は、「ユンソンニョル政府は、核汚染水が危険であるという国民の憂慮を逆に『怪談』として扱い、国民をヤクザとして、また怪談流布者として攻撃し、国民を侮辱する本当に悪い政府」だと述べ、「誰がヤクザなのか? 金を惜しみ、全世界の海に核汚染水をばら撒くという日本政府がヤクザではないか?」と強く批判した。 

 カンギュヒョク委員長はまた、「毎日国民が日本大使館前で抗議行動をしている。 しかし、抗議書の紙1枚すらきちんと手渡すことができない。警察が日本大使館を守っているからだ」と述べ、「国民の声をふさぐ政府がヤクザではないか。国民を 怪談流布者として扱う政府がヤクザではないか」と反問した。 

 2019年朝鮮人強制動員賠償問題をめぐって日本が強制報復をおこなった当時、サービス労働者は不買運動で日本に峻厳な警告を送ったことがある。マート労働者は日本製品を販売しないと宣言し、宅配労働者もユニクロなど日本のブランド製品 を配達しないと宣言した。 

 カンギュヒョク委員長は、「当時の日本製品不買運動は、結局韓日軍事情報保護協定終了まで引き出した」と述べ、「マート労働者が核汚染水にさらされた日本の水産物を国民に販売することができるだろうか。学校給食労働者が子供達に核汚染水にさらされた海産物を食べさせることができるだろうか。国民の生命を脅かす行為をわれわれはすることはできない」と強調した。

 民主労総は、来る24日午後5時ソウル広場東側で「日本の汚染水放流阻止第3次行動」を開く。カンギュヒョク委員長は、「24日、国民の生命と国家の主権を 守る日に11万サービス労働者がともに闘うだろう。組合員の手を握り、市庁広場 に出て来て、いっそう力強く闘う」と力を込めて語った。 

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発言するカンギュヒョク・サービス連盟委員長

 チョンスンヒョク・全教組青年副委員長は、ユンソンニョル政府が核汚染水海洋投棄の放置どころか、生徒の生命と安全は眼中にないという点を指摘した。


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発言するチョンスンヒョク・全教組青年副委員長

 チョンスンヒョク副委員長は「全教組ソウル支部が業務ネットワークをとおして送信した署名には特定の政党や勢力を支持または反対する内容がなかった。さらにユンソンニョル政府を糾弾する内容さえない、核汚染水放流だけに反対する署名が教育部から捜査を依頼されるほど間違ったものなのか」と反問し、「政府のこうした非常識な態度は、親日売国屈従外交を展開する政府が核汚染水放流に反対する声を脅迫して遮断するという意図と思われる」と批判した。

 去る20日、全教組ソウル支部は、教育庁業務ネットワークをとおして「生徒の生命権を脅かす日本の放射性汚染水海洋投棄反対教育主体共同宣言文」を送信し、オンライン署名運動を推進した。教育部は、これに署名した教師を捜査依頼すると明らかにし、波紋を呼んだ。朝鮮日報は「個人情報違反」を云々するエセニュースを送り、「国民の力」は全教組を「民主党の別動隊」だと侮辱する妄言まで吐いた。

 チョンスンヒョク副委員長は「全教組は、600万生徒とともに汚染水放流と関連した授業を推進するだろう。教師だけでなく、教師と生徒、保護者がともにする共同宣言を組織していく」と述べ、「ユンソンニョル政府の責任を問う闘いに全国の 良心ある数多くの教師が燎原の火のように立ち上がるだろう」と強調した。

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発言するキムウンヒョン・民主労総副委員長

 民主労総は、日本の核汚染水海洋投棄を糾弾し、これを支持するユンソンニョル政府の退陣のために、労働者10万署名運動と民主労総産別リレー記者会見、労働 者決意大会を開く予定である。また韓日労働者の連帯闘争を準備し、共同決意文の採択、教師訪問などの国際連帯活動で日本の不法海洋投棄を根絶させる闘いを準備している。一方、民主労総記者会見に続いて、日本の放射性汚染水海洋投棄阻止共同行動が 記者会見を開き、「福島汚染水は1回捨てられて終わりでなく、溶融した核燃料を 除去する前まで30年以上継続する」と述べ、「汚染水海洋投棄の代わりに陸上の 長期保管やセメントを入れて固形化する代案が存在する」と批判した。
 
 この場でキムウンヒョン民主労総副委員長は、「われわれがユンソンニョル政府に望むものは、核汚染水のいちいちのブリーフィングでもなく、安全だという強弁でもない。核の海洋投棄をふせぐために最善を尽くして協議して強力に反対すること」「核汚染水海洋投棄をふせぐためにユンソンニョル政府は国際海洋法裁判所に日本政府を提訴しなければならない。民主労総は7月ゼネストで労働と民生、平和と民主を中心にした闘争をこえて、核汚染水を主要議題としたゼネスト闘争へ共に闘う」と力強く語った。 



〔韓国 全国教職員労働組合〕
2023年6月20日 記者会見文
 生徒・国民の生命と安全を守ることに政治的中立はありません! 

 日本の福島放射能汚染水海洋投棄がもたらす全地球的脅威に対して、国内外の強 い反対と憂慮の声が高まっている。これに対して全国教職員労働組合(委員長チョンヘヨン、全教組)ソウル支部は、教職員であれば誰もたやすく接近できる内部ネットワーク業務メールをとおして日本の放射性汚染水海洋投棄反対署名を広報する団体メールを送った。 

 朝鮮日報はこれに対して6月16日、「公的システム不適切使用問題」という表 現で記事を送り、さらに教育部は朝鮮日報の記事を引用して「全教組ソウル支部の 不当な労組活動が教育現場に混乱を与えないよう厳正に対応します」という題の説明資料をとおして「不当な労組活動および政治活動禁止違反に対する捜査依頼」で応じた。
 
 まず、不特定多数にメールを送ったという理由で個人情報保護法19条違反だと言うが、内部ネットワークのメールは教育庁を含み他の教員団体や教課会合あるいは個人でも職員ならば、誰も講演・演習・行事広報などですでに日常的に使用できるツールである。そして内容の同意如何を別として、教育庁であれ労働組合であれ多数を対象に情報を提供して知らせることは当然な義務であり、公的な領域である。

 そして労組の政治活動禁止について言及した。しかし「生徒と国民」の「生命と安全」を守ることは、政治的問題と立場をこえるものである。国民の安全に責任をとらなければならないユンソンニョル政府と教育部は、福島放射性汚染水海洋投棄と関連した国境をこえる対策樹立には関心がない。逆に放射性汚染水海洋投棄反対の世論を一部の政治勢力の怪談と決めつけて世論を誤導し、汚染水海洋投棄が安全だと東京電力の話をそのまま繰り返している。日本当局が国境をこえた生物学的影響評価を含んだ包括的環境影響評価を正しくおこなうこともしなかったが、最も近いわが国の政府はこの部分をまったく考慮していない。

 教育部はまた「国家公務員法」第 66 条の「集団行為禁止」を引用して政治的中 立を云々しているが、これは教育活動と無関係な市民として生きる権利と表現の権利を制約する悪辣な解釈である。全教組は労働組合として教師の権益のみならず、 当然にも社会的寄与に対する責任がある。汚染水海洋投棄問題は、政治的立場を飛 び越える未来を生きていく生徒の命の問題であり、現在の私達自身の問題でもある。切迫した命の問題について情報を提供し、それにともなう同意を求めることが個人 情報保護法違反であり不当な労組活動なのか! 教育部は公益的目的の内部業務メール使用に無駄なエネルギーの浪費がないことを望む。
 
 教師・公務員は政権の操り人形でない。憲法第7条1項に「公務員は国民全体に対する奉仕者であり、国民に対して責任を負う」と書かれている。国民の生命権が 危うい今、これを守るための私達の責任性を政治的中立違反と決めつける政権の意図は何なのか?

  同時に今日の記者会見に意を同じくする教育市民社会団体と全教組は、教師・公務員の政治的中立に関する論争をいつであれ歓迎する。教師・公務員の基本的権利として政治的自由に対する問題は、さらに拡大しなければならない。私達は教師・公務員の口をふさごうとする狙いがまさに私達社会民主主義を後退させようという意図だということを今回の機会にいっそう広く知らせるだろう。

 日本の放射性汚染水海洋投棄に反対する教育市民社会団体は、全教組がユンソンニョル政府と教育部の捜査脅迫にも退かないで立ち向うことができるようともに闘い、日本の放射性汚染水海洋投棄を生徒と国民の生命を脅かす深刻な問題ととらえ、 教育共同体が参加する全国民的な署名をともに推進する。 

 一、正当な労組活動を捜査で脅迫する教育部を糾弾する。
 一、国民の安全と生命を政治的問題と決めつけるユンソンニョル政府は目を覚ませ。
 一、政府は放射性汚染水海洋投棄を国際海洋法裁判所に提訴しろ。
 一、日本政府は福島放射性汚染水海洋投棄を放棄し、国内に保管しろ。

 2023年6月20日 教育部の告発措置を糾弾する教育市民社会団体一同 

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